レポートNo120 2014.7.20  <倉林 勝>

マイケルズストア決算

3兆円を超えるアメリカのホビークラフト市場において、マイケルズ、ジョアン、ホビーロビーの3社で約3割の9000億円の売上を行う。マイケルズは唯一上場し、4570億円を売上て5期連続の増収増益となった。


3兆円を超えるアメリカのホビークラフト市場において、Michaels Stores,Inc.(マイケルズ)、Jo-Ann Stores Inc.(ジョアン)、Hobby Lobby Stores,Inc.(ホビーロビー)の3社が大型チェーンストアとして市場を牽引し、3社のうちマイケルズのみが株式を公開している。

 

ジョアンは1943年にオハイオ州クリーブランドに「クリーブランドファブリック」を設立し、1960年頃に「ジョアンファブリック」に社名を変更し、1969年に「ファブリセンターオブアメリカ」に社名を変更し上場する。

1990年代の終わり頃には、「ハウスオブファブリック」や「クロスワールド」などを買収し、社名を「ジョアンストアーズ」に変更する。

2010年に株式をファンドに売却し、非上場となる。

ファブリックストアから出発し、現在はファブリックとクラフトの店に変わった。2010年頃からファブリック中心の400坪クラスの小型店舗からファブリックとクラフトの1000坪クラスの大型店に移行していく。

2012年7月末には、全米で790店を展開し、2000億円規模の売上をし、ファブリックの販売では全米1位である。

現在取扱いの主要カテゴリーはファブリック、ソーング、スクラップブック、クラフト、ニードルアート、ベイキング(パン・ケーキ等)、ライト(照明)、ストレージ(箱、カゴ、袋、容器等)、ホームデコ、ホリディ&パーティなどで、5割強がファブリックである。

 

ホビーロビーは1972年オクラホマ州オクラホマに17坪の小型店舗をオープンする。1990年代から積極的なチェーン展開を開始し、2014年6月には全米に平均1500坪の店舗を579店舗展開する。

2011年の売上は2280億円である。

現在の売場は5割がファブリック&クラフト関係、残る5割がホームファッショ・ホームデコ関連である。

クラフト関連の主要カテゴリーはアート、カード&パーティ、クラフト、ファブリック、フローラル、フレーム、ホビー、ジュエリー、ニードルアーツ、ペーパークラフト、シーズン、ウェラブル、ウェディングなどである。

 

マイケルズは1976年テキサス州ダラスに設立される。1982年に「MJデザイン」を買収し、1984年から積極的なチェーン展開を開始する。平均500坪の店舗に40000アイテムの商品、主にアート、クラフト、フレーム、フローラル、ウォールデコを展開するが、現在は1000坪の大型店が主力となっている。

1996年には450店舗で1240億円を売上、2003年には3000億円の売上となる。

2006年に創業者のマイケル氏がファンドに会社を売却し、2012年にファンドがナスダックに上場する。

2012年度の売上は4400億円でウォルマートから始まる全米小売業売上規模で83位となる。

現在は全米とカナダにマイケルズストアを1136店舗、アーロンブラザーズストアを121店舗、合計1257店舗展開する。

マイケルズはカナダを含めて1136店舗を展開し純増するが、アーロンブラザーズは縮小する。

マイケルズは2014年から年に40~50の店舗をオープンさせ、1500店舗を目指す。

現在、カリフォルニア州に最大数の店舗を持ち、マイケルズ131店舗、アーロンブラザーズ79店舗、合計210店舗を展開する。

物流センターはマイケルズ用に6か所、アーロンブラザーズ用に1か所、計7か所で約11万坪を使用する。マイケルズの約90%、アーロンブラザーズの約55%を物流センターから納品する。

プロダクトデザインチームが品質と価値をベースに商品を開発し、グローバルソーシングチームがアジア、カナダ、メキシコ、アメリカ等から調達し、基本的なアイテム約36000をストックする。

2011年頃からスクラップブック関係の構成比が減少し、ジェネラルクラフトが増加する。

 

取扱主要カテゴリーは

アパレルクラフト、アートサプライ、ベイキング(パン・ケーキ・クッキー等)、ビーズ&ジュエリー、フレーム、ジェネラルクラフト、ホームデコ&フラワー、キッズクラフト、ニッティング&クロシェ、ペイント、パーティ、リボン、スクラップブック&ペーパークラフト、トランスファー等である。

マイケルズの競合先

マイケルズの競争相手は

①マス・マーチャンダイジンググループ・・・主にウォルマートやターゲットである。ウォルマートやターゲットには生地・クラフト部門はないが、ホームデコ、アート&クラフト、シーズン商品などが競合する。

ウォルマートは一部で生地やクラフトの扱いがあるかもしれないが、全社でセレブレーション売場(シーズン対応、ラッピング、カード、リボンなど)を展開している。ターゲットも同様である。

②マルチストアチェーン・・・100店舗以上展開するクラフトチェーンで、ホビーロビー、ジョアンなどである。ホビーロビーはクラフト(ファブリックを含む)とホームファッション、ジョアンはファブリックとクラフト、マイケルズはクラフト(ファブリックは扱っていない)中心で、それぞれが積極的な店舗展開を進め、大型化している。

これらの店は50坪程度の教室を持って、幅広い講座を運営している。

③小型専門店・・・カテゴリーを絞り込んで、地域の顧客に密着した店舗である。アート&クラフト、キルト、ビーズ、スクラップブックなどオーナーの専門性を活かし、地域のコミュニティに顧客サービスを提供する。店によっては教室が主で、それに合わせて素材を提供するなどしている。

 

マイケルズ、ホビーロビー、ジョアン3社の合計売上は約9000億円で、市場占有率は3割程度だ。

まだ、マスマーチャンダイズ店やローカルの専門店が多くのシェアを持っている。

3社は小型店を大型店にシフトし、積極的な店舗展開でシェアの拡大を図っている。

 

以上