レポートNo100 2014.1.27  <倉林 勝>

チェーンストア第3四半期決算

上位9社のうち、増収増益は4社、純利益赤字は2社となった。セブン&アイHDはコンビニで大増益、イオンはGMS、SM不振で増益ながら大幅な減収となった。GMS業態の営業利益率はサンエー、イオン北海道、イズミ、平和堂の順で規模と利益が一致しなくなった。第1四半期のファーストリテイリングの純利益を超えるのはセブン&アイHDのみで、それもコンビニエンスである。


(D)まとめ

イオン・・・

増収だが大幅純利益減となった。ディベロッパー事業、総合金融事業、サービス事業は好調であるが、営業収益比率の高い小売部門は全体的に厳しい状況である。

GMS事業はイオンリテールが減収・純利益赤字、イオン九州が収益横ばい・純利益赤字となり、8月に連結子会社化したダイエーも大きく足を引っ張る。

SM事業は営業利益が67%の減収となった。マックスバリュ全体が苦戦の上、4月に子会社化したイオンマーケット(旧ピーコックストア)も足を引っ張っただろう。コンビニのミニストップも減益となり、小売業業績悪化がイオン連結の足を引っ張る。

 

セブン&アイHD・・・

増収・大幅純利益増であるが、相変わらずコンビニエンスと金融に特化された企業体である。

スーパー事業は増収・営業利益増であるが、順調なのはヨークベニマルで、イトーヨーカ堂は減収・営業利益増であるが低レベルである。百貨店事業は営業赤字、フードサービス事業も低調である。

PBのセブンプレミアムの売上は4970億円となり、イオンのトップバリュの5463億円に近付きつつある。コンビニの力だろう。

ニッセンHD、バーニーズジャパン、天満屋ストア、バルスを買収した。

 

ユニーグループHD・・・

減収・大幅純利益低下となった。前期の純利益にはサークルkサンクス買付の負ののれん発生益が180億円含まれるが、それを別にしても半減である。

総合小売の営業利益も減益、厳しい環境にあるコンビニエンス事業も大幅減益、専門店事業も赤字である。金融サービス事業は増収増益だが、イオンやセブン&アイとは桁が違っている。厳しい状況が続きそうだ。

 

GMS・・・

減収が5社、営業赤気が2社、純利益赤字が4社(イトーヨーカ堂は不明)となり、GMS業態の不振は続く。

営業収益はイオンリテール、イトーヨーカ堂、ダイエーの順であるが、営業利益はイズミ、平和堂、サンエー、イオン北海道、イオンリテール、ユニーの順となる。営業利益率はサンエー(7.0%)、イオン北海道(5.1%)、イズミ(5.0%)、平和堂(2.8%)の順になり、イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミヤは1%に満たない。

規模では利益を出すことが出来ない業態となってしまった。

 

SM・・・

営業収益はライフ、アークス、ヨークベニマルの順であるが、バローの9ヶ月決算を想定すると3番手になりそうだ。営業利益はヨークベニマル、アークス、ライフの順であるが、バローが1番になるかも知れない。営業利益率はヨークベニマル(3.3%)、バロー(半期・2.9%)、アークス(2.6%)、ライフ(1.3%)の順で他は1%に満たない。

地域密着型企業が強いようだ。

 

CVS・・・

セブンイレブン・ジャパンの強さが際立っている。営業収益は直営店の比率が高い7-Eleven,Incが1位であるが、セブンイレブン・ジャパンの営業利益は国内4社(ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス、ミニストップ)合計の155%である。

 

DP・・・

三越・伊勢丹は3月末決算のため記載はしていないが、百貨店全体は好調である。しかし、その中にあってそごう・西武の悪さが目につく。

2月末決算の専門店も掲載したが、営業利益はJフロントリテイリングもしまむらに及ばず、高島屋は良品計画とほぼ同じである。

ファーストリテイリングの第1四半期(9月1日~11月30日)を掲載したが、営業利益が国内ユニクロに及ぶところは1社もない。

 

小売総売上高が135兆円前後で大きな変化がないなか、インターネットでの売上は直ぐに1割の壁を超えるだろう。自社は勝ち残るとの前提で店舗数拡大に力をいれるが、全企業が勝ち残ることはない。

厳しい競争のなかで、合従連衡が激しさを増すだろう。20214年は波乱含みだ。

 

以上