レポートNo80 2013.5.27  <倉林 勝>

ディスカウントストア&100円ショップ決算

1997年の消費増税以降、小売業売上はマイナス成長となった。

この間、多くの小売業が破綻したが、家電、ドラック、ホームセンターなど低価格を武器に高成長を遂げる企業が進出した。1991年の小売業上位50社に専門店は5社しかなかったが、2011年には半数の25社となった。そして、ディスカウントストアや100円ショップも高成長を遂げた。上場ディスカウントストア&100円ショップの決算を報告する。資料として小売業上位50社の推移、ディスカウントストア&100円ショップの推移等を添付する。


(A)流通の変化

昨年11月14日の野田首相と安倍総裁の党首討論から解散時期が明確になり、安倍総裁のへの期待が高まり、株価は上昇し、円は対ドル対ユーロで大幅な円安となった。

11月14日の日経平均株価8664円は5月15日には74%増の15096円となった。東証1部時価総額も11月末の275兆円から4月末には134兆円増の409兆円となり、ドル相場も11月平均の80円台から5月15日には102円台、ユーロ相場も103円台から132円台と大幅に円安となり、企業業績に期待が高まっている。

しかし、1・2・3月の小売業売上は家計消費支出が増加しているにも関わらず、自動車や家電の不振から前年比マイナスを続けている。また、国内企業物価指数(卸価格)も消費者物価指数(小売価格)も前年比マイナスを続けている。

まだ、小売業全般にアベノミクス効果が波及しているとは思えず、2014年4月に予定される消費増税が小売業に重くのしかかり大変化を引き起こすことになるかもしれない。

 

バブル崩壊後も小売業販売額は1993年を除いて1996年まで増加してきたが1997年の消費税率3%から5%への増税を引き金に2002年までの6年間は減少を続けた。

また、この間1996年から2001年にかけて橋本内閣の構造改革の一つとして金融改革がすすめられた。日本版ビックバンと呼ばれる金融改革はフリー(市場原理が機能する自由な市場)、フェア(透明で信頼できる市場)、グローバル(国際的で時代を先取る市場)を目指し、護送船団方式を崩壊させる改革がすすめられた。このような状況の中で北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、三洋証券、山一証券、日本リース、東邦生命など多くの金融機関が破綻、国有化、廃業などになり、都市銀行の合併統合も進められた。

景気は一気に低迷し、GDPはマイナス成長となり、雇用者報酬も低下を続け、消費者物価も低下を続けた。(Report No77長期経済統計参照)

そして、この時期は小売業にとっても大きな変化が顕在化した時期でもあった。

 

小売業上位50社の推移をみると、1990年代はGMSや百貨店が上位をしめたが、2000年に入ると専門店が台頭してきた。

1991年に専門店は上位50社の中に5社しかなかったが、1996年には13社、2001年・2006年には18社に増加し、2011年には半数の25社まで増えた。

ファーストリテイリング、しまむら、ニトリホールディングスなどの専門店に、家電、ドラック、ホームセンターが大きく上位を占めるようになった。「価格」をキーに専門店が市場を占有するようになると、従来の小売業に破綻や合併などの嵐が吹き、厳しい状況となった。(小売業上位50社売上高推移参照)

 

ダイエー・・・1994年に忠実屋、ユニードを傘下にするが、2004年民事再生機構へ支援を申請する。

ローソン・・・2001年筆頭株主がダイエーから三菱商事へ移行。

マルエツ・・・1981年ダイエーグループに入り、2007年イオンと業務提携

西友・・・2002年米国ウォルマートと資本提携、傘下に。

ファミリーマート・・・筆頭株主が西友から伊藤忠に移行。

そごう・・・2000年民事再生法適用、2004年西武と経営統合しミレニアムリテイリングとなるが、2006年セブン&アイが買収。

長崎屋・・・会社更生法申請、キョウデングループから2007年にドン・キホーテが買収。

寿屋・・・2001年民事再生法申請、多くの店舗譲渡を受けてイオンがマックスバリュ九州を設立、また一部をイオン九州が引き受けた。

ダイクマ・・・2002年にIYグループがヤマダ電機に売却。

マイカル・・・2001年会社更生法申請、イオンの支援をうけて、イオンリテールに統合。

靴のマルトミ・・・2000年に民事再生法申請、ワンゾーンに社名変更しファーストリテイリングの傘下に。

ヤオハン・・・1997年会社更生法適用申請、大部分がイオンのマックスバリュ東海に、一部店舗がユニーに。

ラオックス・・・2009年に中国の蘇寧電機の傘下に。

ベスト電器・・・2012年ヤマダ電機の子会社となる。

コジマ・・・2012年ビックカメラの子会社となる。

 

また、

イオンは2001年にジャスコからイオンに社名を変更し、2008年に純粋持株会社に移行し、IYグループは2005年にセブン&アイ・ホールディングスを設立し、持株会社とした。

百貨店は2007年に大丸が松坂屋を吸収合併しJフロントリテイリングに、2008年三越と伊勢丹が合併し三越伊勢丹ホールディングスに、2008年阪急が阪神と合併しエイチ・ツーオー・リテイリングとなった。

消費増税の影響か、21世紀という時代の流れか、流通も大きな変化を遂げてきた。

 

商業立地も大きな変化をしている。商店街からターミナルへ、そしてモータリゼーションの影響からロードサイド、郊外ショッピングセンター、さらに人の住まない遠隔地に商業立地が拡散したが、人口減少や都市化の影響で商業立地は郊外から都市部、町、個人宅、そして手のひらのタブレットに移り逆回転を加速している。

コンビニエンスは48000店を超え、人口2600人に1店舗となり、ネットスーパーなどの個人宅への配達の動きも激しさを増している。

ネット通販は成長し、楽天の流通総額は2012年に1兆4460億円に達し、アマゾンジャパンの売上も7800億円となり、流通総額委は1兆円に達したとみられる。

さらに、ヤマトホールディングスとSGホールディングス両社の宅配便代引き決済額は2兆5000億円規模となり、手のひらの市場は大きなものとなっている。

 

1997年の消費増税時から勢いを増し、今日まで拡大傾向にあるのがディスカウントストアと100円ショップである。

ドン・キホーテは1998年から2011年までに14倍に拡大し、トライアルカンパニーは2002年から2011年までに12倍に拡大した。ダイソーは1998年から2011年に4倍に拡大し、セリアは14倍に拡大した。

景気低迷、デフレ下で価格対応型が急成長を遂げている。

現在、既存流通業はこのような歴史の記憶を持っているのだろう。消費増税が引き起こした変化に対する恐れから、それぞれの対策を計画している。

 

(B)ディスカウントストア

(ディスカウントストア&100円ショップ売上推移参照)

ディスカウントストアは日用品、衣料品、食品、家電製品、玩具、化粧品などのナショナルブランド、プライベートブランドを大量に仕入れ、計画数量を売り切ることで低価格を実現している。家電やインテリアなど特定カテゴリーに特化した小売業はカテゴリーキラーと呼ばれ、日経MJでは総合ディスカウントストアとしてドン・キホーテなどを取り上げている。

1973年にボウリング場から業態変更したロヂャーズ浦和店が日本最初のディスカウントストアといわれるが、日経MJの専門店調査では1986年(S61)から総合ディスカウントストアの分類ができて、ダイクマ、ロヂャーズ、ミスターマックスなどが掲載されている。

 

*(株)ドン・キホーテ(本社東京都目黒区・東証1部)

1978年創業者・安田隆夫が西荻窪のドン・キホーテの原点となる小規模店舗「泥棒市場」を開業する1980年日用品雑貨等の卸売・小売販売を目的として(株)ジャストを設立

1982年主たる業態を卸売業に変更

1989年府中市にドン・キホーテ1号店を開店

1995年商号を(株)ドン・キホーテに変更

2000年東証1部に指定変更

2001年小型ディスカウントストア「ピカソ」1号店を開設

2007年ホームセンタードイト(株)を完全子会社化、総合スーパー(株)長崎屋を連結子会社化

2012年6月末現在242店舗(内ハワイ3店舗)展開

 

*ダイクマ(本社群馬県高崎市・非上場)

1968年呉服店から、ホームセンター「大工の熊五郎」に業態変更

1978年イトーヨーカ堂と資本提携し同社の子会社となる。同時に商号を「ダイクマ」に変更し、総合ディスカウントストアへ業態変更

2002年IYグループ再編の一環からヤマダ電機に売却される

2010年グループ子会社の関西ヤマダ電機、東海テックランド、中四国テックランド、テックサイトを吸収合併

現在、家電量販店・ディスカウントストアで41店舗展開

 

*(株)トライアルカンパニー(本社福岡県福岡市・非上場)

1974年福岡市にあさひ屋開業

1981年組織変更し(株)あさひ屋となる

1984年商号を(株)トライアルカンパニーに変更

1992年トライアル1号店を開店

2005年韓国に初出店

2008年北海道カウボーイと業務提携、2009年子会社化、2010年吸収合併

2012年9月現在142店舗(中国・韓国5店舗含む)展開

 

*(株)MrMax(本社福岡県福岡市・東証1部)

1925年ラジオ放送開始と同時にラジオ店の営業開始

1927年HIRANO RADIOと称する

1950年(有)平野ラジオ電気商会設立

1961年組織を変更し平野電気商会(株)となる

1978年ディスカウントストア1号店MrMax長住店開店

1980年商号を(株)ミスターマックスに変更

1984年商号を(株)MrMaxに変更

1994年自社開発ショッピングセンター1号店ハイパーモールMERX本城開設、東証1部上場

2013年2月現在51店舗展開

 

ダイレックス(株)(サンクスジャパン)(本社佐賀県佐賀市・非上場)

1988年佐賀市に(株)サガカメラ設立

1991年サンクスジャパン(株)商号変更

1997年店頭公開(現ジャスダック)

1998年店名を「サンクス」から「ダイレックス」に変更

2007年ダイレックス(株)を設立し、MBOによりダイレックス(株)がサンクスジャパン(株)を子会社化

2008年サンクスジャパン(株)上場廃止

2009年ダイレックス株式がファンドから(株)サンドラックに譲渡され、サンドラックの完全子会社となる

2013年3月期の売上1184億円、営業利益34億円

 

*(株)PLANT(本社福井県坂井市・東証2部)

1947年福井市で金物小売業を創業

1974年福井県内ショッピングセンター内に「リビングストアーみった」出店

1982年(株)みった設立

1990年ホームセンター「PLANT-1」を鯖江市に出店、スーパーセンター「PLANT-3」出店

2000年店頭公開(現ジャスダック)

2003年商号を(株)PLANTに変更

2012年東証2部上場

2012年9月現在21店舗展開

 

*(株)ジャパン(旧本社・大阪市中央区)

1982年(株)桐間本店設立、1号店を伊丹市に開設

1987年(株)ジャパンに社名変更

2001年東証2部上場

2004年スギ薬局と資本・業務提携

2007年(株)スギ薬局(現スギホールディングス(株))の完全子会社となる

 

*北辰商事(株)(本社東京都武蔵野市・非上場)

1970年北辰商事設立

1973年ロヂャーズ1号店を浦和に開店

現在11店舗展開

 

*ハイパーマーケット・オリンピック(本社埼玉県さいたま市・非上場)

2006年(株)ハイパーマーケット・オリンピック設立

(株)Olympicの100%子会社

 

*(株)マキヤ(本社静岡県富士市・ジャスダック)

1800年頃(寛政年間)沼津藩の御用商人として乾物商を営む

明治28年まきや金物店を沼津市に開業

1972年(株)マキヤを設立

1990年店頭公開

2005年東海テックランドを設立、2007年ヤマダ電機に売却、現在はダイクマ

 

*三角商事(本社福岡県京都郡・非上場)

1978年ロヂャーズで修業

1979年第一号のディスカウントストア開店

2004年店舗名ロヂャーズをルミエールに統一

 

*多慶屋(本社東京都台東区・非上場)

1947年開店

1951年(株)多慶屋商店設立

1975年(株)多慶屋変更

 

*(株)アスレ(本社熊本県熊本市・非上場)

1986年寿屋のディスカウント業態として「キッド」を出店

1999年寿屋が「キッド」を運営する(株)アスレ設立

2001年寿屋経営破綻

2002年100%減資後、従業員と取引先が出資し寿屋グループから離脱

 

(C)上場ディスカウントストア

(上場ディスカウントストア損益参照)

上場4社と非上場トライアルカンパニーの損益を見ると、ドン・キホーテを除く4社は低収益が続いている。また、ドン・キホーテとトライアルカンパニーを除く3社は売上減収となっている。

PL(別紙資料)を見ると、売上総利益率はドン・キホーテが25%台であるが、他は20%前後で、トライアルカンパニーは17%台である。それに見合う経費率ではあるが、収益性は極めて低い。

商品回転率(売上原価対比)はドン・キホーテの4回転台に比べると、他は倍以上の回転をしている。

 

ドン・キホーテは商品を隙間なく並べる「圧縮陳列」と、狭い通路を迷路のようにし、買い物客に宝探し的要素を持たせることが特徴となっている。

また、住宅地等でも深夜営業が一般的となっている。

これらのことから、地域住民との深夜営業でのもめごとや、放火事件等の問題を引き起こしたことがあった。

 

店長、地域マネージャーの裁量権が広く、仕入や価格決定なども店単位で行われることが多い。PBの「情熱価格」の販売拡大に力を入れ共通価格であるが、季節商品処分などは店長の裁量で価格が決まられる。

ドン・キホーテは時間消費型小売ビジネスの「ビックコンビニエンス&ディスカウントストア」と、ファミリー向け「総合ディスカウントストア」の2業態を主軸に店舗展開を行う。

ドン・キホーテ(売場面積1000~1500㎡)、ビック・ドンキ(2000㎡超)、スモール・ドンキ(1000㎡未満)の3タイプと別に長崎屋を業態変更し、ファミリー向けのディスカウント業態を展開するMEGAドン・キホーテを展開する。

販売商品は衣食住を扱い、宝飾品、ブランド品、携帯電話やアダルト関連品なども扱う。

GMS等に比べると販管理費は低く、給与手当は売上高比7.0%、地代家賃3.3%となっている。地代家賃はしまむらより低い。

2012年6月期は新規開店20店舗、閉店6店舗で14店舗増の242店舗を展開する。

 

日本のウォルマートを目指すという考えから、徹底的な低価格を打ち出し、急成長をする。5年間で売上高は68%増加し、営業利益、経常利益も同様の伸びを示すが、純利益は伸び悩む。 

経費を抑えるために、GMSの閉鎖店舗(寿屋など)や家電量販店の閉鎖店舗などの居抜き物件を活用する場合が多く、そのような物件情報が集まる。

店舗業態はディスカウントストアトライアル(最初の運営業態)、スーパーセンタートライアル(主力業態1000~2000坪)、メガセンタートライアル(2000坪以上)、トライアルマート(食品中心)など、店舗規模で各種展開する。

超低価格のPBも多いがJAS法に抵触したり問題もある。

また、管理面での問題も多く、万引き犯から金銭を恐喝し店長等が逮捕されるという事件も起きた。

急成長の中にひずみがあるようだ。

 

(D)100円ショップ

(ディスカウントストア&100円ショップ売上推移参照)

店内商品を原則として1個100円で販売する小売業態である。

1960年代からスーパーの店頭や百貨店の催事等で1週間程度の期間を限定して販売されてきたが、1985年に愛知県春日井市で日本初の固定店舗で100円均一店を「100円ショップ」と命名して販売を開始したのが始まりともいわれる。

当時は安定供給される定番商品の他に、質流れや倒産処分品などが多く、多数の小企業が参入し、そこに納入する卸業者も多くあったが、多くは淘汰された。

日経MJ専門店調査に100円ショップの分類が掲載されるのは1998年からである。

アメリカには「ダラーショップ」と呼ばれる1ドルショップがあり、最大手のダラー・ゼネラルは1兆4800億円、次いでファミリーダラー8548億円、ダラーツリー6630億円と急成長を続けている(2011年度売上、1ドル100円で計算)。

 

*大創産業(本社広島県東広島市・非上場)

1972年矢野商店創業

1977年(株)ダイソー産業を設立

1987年「100円SHOPダイソー」の展開着手

1991年直営第1号店を高松にオープンし、チェーン展開を本格化

2001年台湾、韓国に進出

2012年5月現在、国内2680店舗、海外28か国658店舗展開

設立当時、会社の規模はまだ小さいけれど名前だけは大きなものにしようとの意気込みから「大きく創る」を「大創」とした。

創業当時はスーパーの駐車場などでの移動販売が中心で、商品の質にも限界があったが、大創は100円の範囲で可能な限り良い商品を販売することを心掛け、評判を生みテナント出店を誘われたことが今日となった。

幅広いカテゴリーと圧倒的なアイテムを展開し、自社オリジナル商品が多くなっている。

商品はダイソー独自のパッケージ、製造者の名前はなく、自社が発売元として明記される。

現在は1000坪を超える大型店も展開し、300円、500円等の高額商品も扱う。

近時はパステルカラーの看板でイメージチェンジを図り、新生「ザ・ダイソー」へ多店舗をリニューアル中である。

 

*(株)セリア(本社岐阜県大垣市・ジャスダック)

1987年(株)山洋エージェンシー設立

1997年「ショップ・ワン・オー・オー」を新潟県に開店

2003年(株)セリアに商号変更、大垣市に「Seria生活用品」を開店

2004年直営全店にリアルタイムPOSを導入

2004年ジャスダック上場

2007年千葉県八千代市に「Color the days」を開店

2009年岐阜羽島市に「Color the days」単独店を開店

100円ショップ向け卸業からスタートし、現在は直営店1015店、FC店89店、合計1104店舗を展開する。(2013年3月)

商品は100円のみで、メーカーと共同開発による日本製の比重が高く、セリア(イタリア語で“まじめな”を意味する)の通り行動し、Color The Days(日常を彩どる)をコンセプトに店舗を展開する。

リアルタイムPOSを活用し、自動発注の制度を向上させ、店舗効率を上げ、業績向上が続く。

 

*(株)キャンドゥ(本社東京都新宿区・東証1部)

1993年(株)キャンドゥ設立

1994年フランチャイズシステム確立

2001年100円ショップ初ジャスダック上場

2004年東証1部上場

2009年100円ショップオレンジを事業譲渡

現在は直営店とFCへの卸売を行い、直営店577店舗、FC店250店舗、合計827店舗を運営する。

*(株)ワッツ(本社大阪市中央区・ジャスダック)

1995年100円ショップの運営を目的に(株)ワッツ設立

1998年100店舗達成

2002年ジャスダック上場

2005年100円ショップを地域子会社に分割し(関東・中部・関西・中四国・九州ワッツ)、新会社設立

2006年大黒天物産と共同出資による「バリュー100」を設立

2007年(株)オースリーの株式を取得し子会社化

2008年(株)ワッツオースリー販売設立

2008年販売子会社5社&(株)オースリーの6社を(株)ワッツオースリー販売に事業譲渡

現在、meets、シルク、バリュー100などの店舗名で直営765店舗、FC57店舗、合計822店舗を展開する。

 

(E)上場100円ショップ

(上場100円ショップ損益参照)

大創産業は非上場で決算内容は不明だが、2012年3月期の売上は3415億円である。2003年度の3200億円からの伸びは緩やかである。セリアの成長の高さや、POSを活用した商品政策に危機感を抱き、消費者の価値観の変化にきずくのが遅れたとの反省から「おしゃれなダイソー」に大胆に変化させようとしている。パステルカラーの看板などを使用しイメージを変えて、新たな客層を取り込む新型店舗に500店規模の改装を計画している。

 

上場3社を見るとセリアとワッツが増収で、3社共に当期純利益は増収だが、純利益率には大きな差がある。これは、売上総利益率の差が大きな理由だろう。

セリアは業界に先駆けてPOSやITの導入を図り、発注の合理化や商品開発に力を入れる。

セリアは各店ごとに、1商品ごと1000人当たりどれだけ売れたかを指標化し、全商品を対象に序列を作る。それを全店ベースと比較して、それぞれの個店の品ぞろえに生かす。それらのデータは仕入れ先にも開放し、新たな商品開発のツールとして利用する。メーカーと共同のもの作りが粗利益率の向上となっている。

また、セリアはインテリア商品や手作り商品のためにHP上に使用方法や作り方などを多く提供し、他の100円ショップとの差別化を行っている。

ライバルは同業でなく、東急ハンズやロフトといった都市型の専門店を想定して、自社店舗を「まちの風景の一部でありたいとと考え、暮らしを変える兆しでありたい」と高イメージの店舗を作る。「カラー・ザ・デイズ」と呼ばれる、内装にこだわった店舗は既に250店舗を超えるが、更なる拡大を計画している。このようなことから1987年創業以来増収を継続している。

 

ディスカウントストア&100円ショップ売上推移表に参考としてファーストリテイリングの売上推移を掲載した。

1998年都心型店舗を原宿に出店し、1900円のフリースがブームになり、小売業売上高がマイナスを続けるなかで、一気に売上を拡大した。その後、カシミヤやヒートテックなどのヒットで1兆円に届く専門店に成長した。

価値を超える低価格が大きな魅力となったのだろう。

 

ディスカウントストアも100円ショップも成長を遂げるが、その中でも成長性や収益性で大きな差が付きつつある。ユニクロの成長で岐路にたったアパレルも多い。

成長分野においても競争は激しく、数社が残るのだろう。

消費増税については延期論も出始めたが、増税を契機に小売業に大きな変化が起こることは避けられそうもない。

 

以上

 

資料1.小売業上位50社売上高推移

資料2.ディスカウントストア&100円ショップ売上高推移

資料3.上場ディスカウントストア損益

資料4.上場100円ショップ損益

 

 

 

 


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