チェーンストア平成24年2月期決算

レポートNo48 2012.5.16  <倉林 勝>

平成24年2月期は期首の3月に東日本大震災に見舞われ、災害による特損をだしたが高収益となった。上位8社合計の営業収益は減収となったが、営業利益、経常利益、当期純利益共に大幅増収となった。イオンは営業利益、経常利益、当期純利益が過去最高になり、営業収益もセブン&アイを抜いて国内1番となった。セブン&アイは北米事業について営業収益の計上方法変更により減収となったが、経常利益は過去最高を記録した。上位8社営業収益合計に対し、イオンとセブン&アイの合計は73%になり、2強を印象づける。イオン対セブン&アイの決算比較、イオンリレール対イトーヨーカ堂決算比較などを掲載する。


東日本大震災により大きな影響を受け、多くの損失を計上したがGMSの業績は順調に推移した。

イオンは営業利益、経常利益、当期純利益共に過去最高となった。セブン&アイHDが減収となり、イオンが売上1位となった。

セブン&アイHDは北米事業について営業収益の計上方法変更に伴なう押下げの影響で減収となったが、経常利益は過去最高を記録した。

ユニーは減収ながら大幅な増益となったが、ダイエーは4期連続の純損失となった。

イズミ、ライフコーポレーション、平和堂は増収増益となったが、イズミヤは減収減益となった。

平成25年2月期は北海道のアークスが昨年10月のユニバース(青森)に続いて、4月に岩手のジョイスを傘下に収めたことで5000億円規模となり、順位が変装するだろう。

 

40%台はセブン&アイHD、平和堂、イズミヤの3社、20%台はイオン、ユニー、ライフの3社である。

ライフ、平和堂、イズミヤを除く5社は微減である。

 

(営業収益は売上高にその他営業収益を加えたもの。その他営業収益はコンビニ等フランチャイズの販売手数料、不動産収入、配当など。

売上総利益は売上高から売上原価を引いたもの。売上総利益率は売上高に対してのもの。他の率は営業収益に対するもの。営業総利益は売上総利益にその他営業収益を加えたもの。販売・一般管理費内訳の人件費は給与・賞与、退職給付費用、福利厚生費等であるが企業により多少の違いがある。)

 

平成23年2月期は営業収益減、営業総利益減であるが、販売・一般管理費を大きく削減し、また、営業外費用、特別損失が大きく減ったことから純利益は大きく増加した。

平成24年2月期は営業収益が減少し、営業総利益も減少したが、販売・一般管理費が924億円減少し、営業利益は865億円増加した。大震災により特別損失が860億円増加したが、法人税等が300億円減少し当期純利益は230億円増加した。営業利益増加分は特別損失増加分で相殺され、法人税等の減が当期純利益増となった。

平成24年2月期は米国セブンイレブンの会計基準変更等で売上総利益は△0.7pts減少したが、その他営業収益が増加し、営業総利益率は+0.6pts増加した。営業総利益率はイオン、平和堂、イズミヤは前期と同率であるが、他は増加した。特にセブン&アイは+1.5ptsと大きく増加した。

販売・一般管理費は924億円減少するが、イオン152億円、いずみ34億円、ライフ79億円、平和堂は12億円の増加となった。逆にセブン&アイ△962億円、ユニー△96億円、ダイエー△119億円、イズミヤは△23億円の減少となった。

イオン、セブン&アイの合計を見ると、営業収益は8社合計の72.9%、営業総利益の73.9%、営業利益の83.1%、当期純利益の91.1%を占める。2社による寡占化が進んでいることを示している。

 

 

H24年2月期を見ると、営業収益、売上高、営業総利益共にイオンがセブン&アイを上回るが、営業利益、経常利益、当期純利益は下回る。

業態の違いだろうか、イオンの販売・一般管理費はセブン&アイに比べ約2000億円多い。特に人件費は1880億円の差がある。

この差が利益の差となっている。

 

純粋持株会社であるイオンはイオン及び181社の連結子会社、24社の持分法適用関連会社から構成される。

各事業の代表的企業は個別情報に記載する。

 

連結業績

H24年2月期は営業収益がH21年2月期に250億円ほど届かなかったが、営業利益、経常利益、当期純利益は過去最高となった。

当期を初年度とする中期経営計画への対応として、グループの構造改革に取り組み、成長領域への経営資源の最適配分を推進した。

構造改革においては、企業価値向上とグループシナジーの創出を目的として、事業間の重複と分散の解消による各社の主力事業の専業化を進めるとともに、「1業態1ブランド」化によるブランド認知度の向上、地域密着型経営の深耕を推進した。

経営資源の最適配分につては、直面する大きな環境変化を「経済のアジアシフト」「人口の都市シフト」「人口のシニアシフト」という3つのメガトレンドとして捉え、各成長領域に集中的な経営資源の配分を進めた。「アジアシフト」については「グローカル経営」を実践するために、中国本社機能、アセアン本社機能の構築を進め、「大都市シフト」は首都圏を中心とした大都市のシェア拡大に向け多様な店舗業態での展開を加速し、都市の顧客ニーズに即した新規業態の開発に取り組んだ。「シニアシフト」への対応は、専任の責任者を配置し、事業横断的にシニア層のニーズに合わせた品ぞろえや売場作り、サービスの展開を推進する体制を整えた。

 

GMS事業にはイオンリテール、イオン北海道、サンデー、イオン九州、イオン琉球他、持分法適用関連会社としてダイエー他がある。

北海道から沖縄まで全国のGMS店舗の屋号を「イオン」に統一し、スケールメリットを生かした商品展開や販促企画を実施した。イオンリテールの4カンパニー体制を8カンパニー体制(東北、北関東、南関東、北陸信越、東海、東近畿、西近畿、中四国カンパニー)にし、イオン北海道、イオン九州、イオン琉球の3社と合わせ、11エリア体制へと地域マネージメント体制を再編成した。

当期首にイオンリテール、マイカル、イオンマルシェ(旧カルフール)を統合し新生イオンリテールとした。また、同社の持つDS、NSC、小型SM(まいばすけっと)などの事業を分割し、それぞれを主力とするグループが継承した。

商品・売場改革において、自転車専門店の「イオンバイク」やリカー専門店の「イオンリカー」の展開を始め、専門性を追求した品ぞろえやサービス、売場を実現する「専門店化」を強力に推進した。

イオンリテールの既存店売上高は前期比100.3%、販管費はGMS3社統合の本部コスト削減や電力使用量の抑制などで97.7%となった。

GMSグループは営業収益は減少したものの、営業利益、経常利益、当期純利益は大幅に増加した。

 

 

SM事業にはマックスバリュ北海道・東北・東海・中部・西日本・九州他、光洋、マルナカ、山陽マルナカなどがあり、他に持分法適用関連会社としてカスミ、マルエツ、ベルク他がある。

2011年11月25日、中・四国エリアを中心にSM事業を展開するマルナカ、山陽マルナカを連結子会社とした。

単純合計の営業収益はSM最大手のライフコーポレーションの約2.3倍となり、営業収益、営業利益、経常利益は大きく増加した。

 

 

戦略的小型店事業にはミニストップ、まいばすけっと、れずっこ、オリジン東秀他がある。

ミニストップは国内外の総店舗数が当期末で4138店舗となり、うち海外は韓国、中国、ベトナム、フィリッピンなどで2033店舗を展開する。

都市型SM「まいばすけっと」は首都圏に積極的な出店を行い当期末246店舗となり、2012年1月21日にイオンリテールから独立した。

ドラックストアとコンビニエンスストアを融合した新業態店「れずっこ」は当期14店を出店し、17店舗となった。

営業収益、営業利益、経常利益は順調に増加した。

 

総合金融事業にはイオンクレジットサービス他、持分法適用関連会社としてイオン銀行、イオン保険サービス他がある。イオンクレジットサービスの会員は2101万人に拡大し、設立30周年を迎えた。電子マネー事業「WAON」の利用可能箇所は13万9000箇所、累計発行枚数は2410万枚となり、当期の決済総額は前期比116.8%の1兆26億円となった。

イオン銀行は2011年12月2付けで預金保険機構から第二日本継承銀行(破綻した日本振興銀行の受け皿銀行)の全株式を譲り受け子会社(イオンコミュニティ銀行)とし、2012年3月31日付けでイオン銀行と合併した。

 

ディベロッパー事業にはイオンモール、イオンタウン他がある。

国内モール型SCの名称を「イオンモール」に統一し、NSCの名称を「イオンタウン」に統一し、ブランド認知度の向上に努めた。

持分法適用関連会社のロック開発は、大和ハウス工業所有の全株式を譲りうけてイオンの100%子会社とし、2011年9月1日付けでイオンタウンに改称し、イオンのNSC事業の中核として開発体制の強化をはかる。

 

サービス事業にはイオンディライト、ツヴァイ、イオンファンタジー、リフォームスタジオ等があり、他に持分法適用関連会社としてワーナーマイカル等がある。

イオンディライトは2010年9月1日付けでチェルト(資材調達)を吸収合併し、総合的な多様なサービスを提供する。環境負荷低減対応のLED照明を初め資材や省エネ関連工事、総合FMS(ファシリティマネージメントサービス)事業などを行う。

イオンファンタジーはSC内の遊技場を運営し、ツヴァイは結婚紹介事業を行う。

 

専門店事業にはコックス、ジーフット、メガスポーツ、イオンフォレスト、ペットシティ、未来屋書店他に持分法適用関連会社としてタカキュー、やまや等がある。

ジーフットはGMS直営店舗の靴売り場において販売業務受託を拡大した。

コックスは2010年8月21日付けでブルーグラスを吸収合併したが、赤地からは脱せない。

 

 

アセアン事業はマレーシア、タイで展開する。2011年10月7日にベトナム・ホーチミンにイオンベトナムを設立し、2014年に1号店を開設予定。

イオンマレーシアは営業収益77.808百万円、当期純利益5.092百万円である。

中国事業は香港、中国で展開し、2011年12月26日にイオングループ中国本社を設立する。

イオンストアーズ香港は営業収益68.401百万円、当期純利益4.648百万円である。

その他事業はCFSコーポレーション、タキヤ、イオンスーパーセンター、イオンピック他、持分法適用関連会社としてグローウェルホールディングス、メディカル一光他がある。

また、機能会社としてイオントップバリュ、イオン商品調達、イオングローバルSCMが連結子会社としてある。

ドラック・ファーマシーの中核企業であるCFSコーポレーションは営業収益105.649百万円、当期純利益177百万円となった。

イオンビックはイオンリテールのDS事業部門21店舗を譲り受けて、DS事業の強化を目指し、総合DSのモデル確立を目指す。

 

 

 

中期経営計画(2011~2013年度)の2年目となる2013年2月期は、引き続きアジアマーケット、大都市マーケット、シニアマーケットへの事業展開を加速するとともに、急速に進むデジタルマーケットへの対応を進める。

GMS事業は、高収益、高成長を実現する新たなGMSモデルへ向けた改革を進め、自転車専門店の「イオンバイク」やリカー専門店の「イオンリカー」等、お客にニーズに対応して専門性を追求する「専門店化」の取り組みを強化する。

SM事業は国内のみならずアジアにおいても積極的な出店を進めるビジネスモデルの早期確立を図るほか、大都市における戦略的小型店事業や専門店事業等の展開を加速し、大都市エリアでのグループシェアの拡大を図る。

イオンPBの「トップバリュ」は、日本・アジアの各地域においてナンバーワンのプライベートブランドの確立を目指し、品揃えを拡大するとともに、原材料の調達から販売までイオンが全責任を負い、一期通貫で品質管理を行うバリューチェーンの構築を強化する。

 

(グループ売上はセブンイレブン・ジャパン及び7-Elven,Incに於けるチェーン全店売上を含めた数値。コンビニエンス売上はセブンイレブン・ジャパン及び7-Elven,Incに於ける全店売上高を含めたコンビニエンスストア事業の売上)

 

連結業績

営業収益は減少したものの営業利益、経常利益は過去最高を記録し、当期純利益も大幅に増加した。

営業収益は北米コンビニエンスストア事業の営業収益計上方法の変更に伴う押下げ影響が5211億9千9百万円あり、大きく減収となったが、これがなければ3.6%の増収である。

特別損失は東日本大震災に伴う損失257億4千万円、資産除去債務会計基準の適用による影響額225億円を計上し前期から305億円増加した。しかし、連結納税制度の適用による繰延税金資産の計上に伴い法人税等調整額を△261億円計上し、当期純利益は1298億円、116.0%増となった。

コンビニエンスストア事業の営業収益は全体の35.3%であるが、営業利益は73.5%になる。

スーパーストア事業の営業収益は全体の41.6%をしめるが、営業利益は11.1%である。

金融関連事業の営業利益は全体の11.6%をしめ、コンビニエンスストア事業と合わせると全体の85.1%となる。

グループのプライベートブランド商品「セブンプレミアム」の販売額は4200億円まで拡大した。

 

コンビニエンスストア事業は7-Eleven,Incにおける計上方法変更により、営業収益は減少したが営業利益は2桁近い伸びとなった。

国内店舗数は39都道府県で14005店(過去最高の1201店舗出店、前期末比773店増)となった。

高齢化や働く女性の増加という社会の変化に対応した「近くて便利」なお店の実現に向けて、質の高いファストフード商品の開発に注力するとともに、「セブンプレミアム」や総菜、野菜といった食卓でニーズの高い商品の品揃えを強化した。また、住民票や印鑑登録証明書を発行する行政サービスやコンサートやスポーツ観戦など各種チケットの品揃えを強化するなどし、増税にともなうタバコの売上伸長などにより国内チェーン店(自営店&加盟店)売上高は3兆2805億円となった。

北米はフランチャイズ店5437店を含んで7149店舗を展開している。チェーン全店売上は1兆6240億円(前期比110.4%)となり、その内ガソリン売上が全売上の46%を占める。

中国は平成23年12月末時点で、北京に119店舗、天津に28店舗、成都に41店舗を展開している。中国での営業収益は約1090億円、営業利益は約33億円となった。

セブンイレブン・ジャパンの当期純利益は100.738百万円である。

 

 

スーパーストア事業にはイトーヨーカ堂、ヨークベニマル以外に丸大、ヨークマート、サンエーなどのスーパー、メリーアン、オッシュマンズ・ジャパン、赤ちゃん本舗などの専門店、中国で展開するGMSやSMなどが含まれる。

イトーヨーカ堂は年度末時点で173店舗(前期末比3店舗増)を展開している。食品分野では安全・安心な商品を提供し、上質な商品の品揃えを強化し、これらの商品価値を訴求するためにメディアを活用したプロモーションを推進した。大型セールを抑制したことにより既存店売上伸び率は△2.6%となったが、値下げロスの低減などにより営業利益は前期比約5倍となった。

ヨークベニマルは東北地方を中心に176店舗、ヨークマートは首都圏を中心に68店舗を展開する。

赤ちゃん本舗はイトーヨーカドーの店内を中心に87店舗を展開する。

中国においては平成23年12月末時点で北京にGMS8店舗、SM2店舗、成都にGMS5店舗を展開している。

イトーヨーカ堂の当期純損失は△520百万円、ヨークベニマルの当期純利益は1.430百万円である。

 

百貨店事業にはそごう・西武以外にロフト、シェルガーデンなどが含まれる。

平成24年1月に八王子そごうを閉鎖したが、そごう・西武は国内に26店舗を展開する。

既存店売上伸び率は、4月以降高級雑貨や食品を中心に売上が回復したものの、震災の影響で3月が厳しく推移したため△0.5%の前年割れとなった。

基幹店の売上は池袋店1765億円、横浜店1010億円、千葉店786億円、神戸店483億円、広島店414億円、渋谷店398億円、大宮店324億円である。

ロフトは西武とそごうやイトーヨーカ堂のショッピングセンター「Ario」内の店舗を中心に会計年度末時点で73店舗を展開している。

そごう・西武の当期純利益は9.964百万円である。

 

その他事業

<フードサービス事業>

セブン&アイ・フードスステムズの営業利益は永年の赤字から2200万円の黒字となったが、純利益は8億7900万円の赤字で黒字転換は出来なかった。

<金融関連事業>

金融事業はコンビニエンスストア事業に次ぐ営業利益である。

セブン銀行のATM設置台数は前期末比1184台増の16.540台となった。1日1台当たりの平均利用件数はノンバンク取引件数の減少により前期末から0.9件減の112.2件となった。

セブン・カードサービスの電子マネー事業「nanaco」は351万件増の1636万件、利用可能店舗数は22.800店舗増の101.800店舗となった。

 

 

 

 

セブンイレブン・ジャパンは高齢化や単身世帯の増加、中小小売店舗数の減少、働く女性の増加といった社会構造の変化を成長の機会ととらえ、さらなる「近くて便利」な店の実現を目指す。新規エリア展開として上期に秋田県へ出店を開始するなど、過去最高の1350店舗を出店する。また、ファストフード商品の品質向上を図るとともに、チルド商品用の新型什器の導入を継続するなど、日常の食卓に必要な商品の品揃えの拡充にも注力する。

イトーヨーカ堂は店舗構造改革の一環としてグループ内外の専門店を活用した売場改革に注力するとともに、PB商品の開発及び販売の強化と値下げロスの低減により、収益基盤の改善を推進する。

 

(GMS事業のセブン&アイ、ユニーはSMを含む、コンビニエンス事業はイオンの戦略的小型店を含む、専門店事業はセブン&アイの百貨店を含む、一部専門店(赤ちゃん本舗)はGMSに含んでいる。

サービス事業はセブン&アイのフードサービス事業を含む)

イオンは小売事業の営業収益は86.3%、営業利益は51.1%である。

セブン&アイは小売事業の営業収益は95.8%、営業利益は88.0%である。

ユニーは小売事業の営業収益は98.6%、営業利益は89.1%である。

GMSとSMの合計営業収益はイオンが3兆7777億円、セブン&アイが1兆9027億円、ユニーが7878億円となる。

海外の営業収益はイオンが1895億円、セブン&アイ1兆1959億円、ユニー147億円である。

金融関連事業は3社共に営業利益の約10%を稼ぎ出す。

イオンは営業利益から見ると小売事業、ディベロッパー事業、金融関連事業の3軸から構成され、小売事業は国内のGMS・SMが中心となる。

セブン&アイは営業利益から見ると小売事業、金融関連事業の2軸から構成され、小売事業は日米のコンビニエンス事業が中心となっている。

ユニーは営業利益から見ると小売事業、金融関連事業の2軸からなるが、小売事業が中心でコンビニエンスの構成が高い。


 

イオンリテールは期首の2011年3月1日付けでマイカル、イオンマルシェを吸収合併し、8月にDS事業を分離、2012年1月21日にまいばすけっと事業を分離するなど、変化が激しく前期との比較ができない。

現在はGMS338店舗の他にSM4店舗、DS2店舗、その他100店舗を持つ。

単純に前期のイオンリテールとマイカルの合算と比べると、営業収益は630億円減少し、営業総利益も148億円減少する。しかし、合併効果からか販売・一般管理費が230億円減少したことで、営業利益は85億円、経常利益は80億円増加した。特別損失が206億円増加したが、当期純利益は137億円増加し、順調な回復傾向が続く。

 

イトーヨーカ堂は前期末から3店舗増加して、173店舗を展開する。GMSの数ではイオンリテールの約半分となる。

営業収益、売上高ともに減少するが、キャッシュバックセールなどを中止したことで売上総利益は30億円増加した。また、テナントの導入などで不動産賃貸収入も28億円増加し、営業総利益は55億円増加した。売上より利益を重視する政策を取っているようだ。販売・一般管理費も29億円削減され、営業利益は前期から84億円増加し105億円となったが、率ではわずか0.8%である。前期の有価証券売却益や再開発事業補助金などの特別利益が大幅に減少し、また災害による損失や資産除去債務会計基準の適用などの特別損失が発生したことで当期純利益は赤字となった。

 

イオンリテールはイトーヨーカ堂に対し営業収益で約8400億円上回るが、それぞれの営業収益をGMSの店舗数で単純に割るとイオンリテールが1店舗65億円に対しイトーヨーカ堂は79億円となる。

イオンリテールは売上総利益率も営業総利益率もイトーヨーカ堂に比べ高いが、販売・一般管理費率も高い。

しかし、営業利益率、経常利益率、当期純利益率も高い。当期純利益は246億円の差がつき、イトーヨーカ堂を凌駕しつつある。

 

両社の経費科目明細が違うため比較は難しいが、イオンリテールの前期比は既存店ベースであるが3%の減に対し、イトーヨーカ堂は0.8%の減にとどまった。営業収益対比で見ると人件費に差がある。自前主義を取りつつあるイオンリテールに対し、仕入先依存型のイトーヨカ堂の差だろうか。

節電効果から水道光熱費が低下し、人件費も低下傾向である。

 

直営売上高を見るとイオンリテールは前期比100.5%に対し、イトーヨーカ堂は96.4%だ。イトーヨーカ堂はテナントの売上を自社の売上高にしているが、イオンリテールは手数料(賃料)を売上としているようだ。

イトーヨーカ堂の構成比は食品が61.1%と高く、テナント売上は衣料、住居合計より大きい。

 

イオンリテールの粗利率前期比はGMS8カンパニー対象である。

粗利率の衣料は両社ほぼ同水準であるが、食料、住居に大きな差が見られる。

在庫日数はイオンリテールが大きく改善した。

 

既存店売上高伸び率はイトーヨーカ堂が下がるのに比べ、イオンリテールは上昇する。

客単価の低下を客数で補うイオンリテール、対して客単価上昇を客数増で補えないイトーヨーカ堂の構図だ。

1㎡当り売上、従業員1人当たり売上などでイトーヨーカ堂はイオンリテールをリードするが、全体的には押されている印象だ。

 

 

イオン、セブン&アイ2強の中で、

イオンはマルナカ、山陽マルナカを吸収合併し、アークスはユニバース、ジョイスを吸収合併する。

ライフコーポレーションとヤオコーが業務提携を行い、家電業界ではビックカメラがコジマを吸収する。

市場が伸びない中で、これから益々合従連衡は激しさを増すだろう。

ECテクノロジーの発達に合わせたECビジネスの拡大も、既存の流通に大きな変革を促すであろう。

次期の決算時にはどのような姿になっているだろうか。

 

以上