レポートNo07 2010.12.3  <倉林 勝>

市場動向2010年10月資料

株価が1万円台を回復し、少し寒くなったこともあって百貨店売上は32ヶ月ぶりに増加した。 しかし、小売全体はエコカー補助金の終了で自動車が1980年1月以来の落ち込みとなり、 10ヶ月ぶりのマイナスとなった。 勤労者世帯の実収入は子供手当の影響で大きく増加し、消費ものびるが、二人以上世帯の 消費支出は名目前年比で0.1%の減少となった。

10月の天気・・・気象庁

*10月の概況

月平均気温は全国で高かった。・・・下旬を除いて寒気の影響がほとんどなく全国的に気温が平年を上回る日が多かった。月平均気温は全国で高く、東・西日本ではかなり高かった。

中旬の終りには奄美地方で記録的な大雨となった。・・・中旬の終りには台風13号を上回る非常に湿った気流と前線の影響により、奄美地方では記録的な大雨となり甚大な災害が発生した。

北・東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美では月間日照時間がかなり少なかった。・・・低気圧や前線などの影響を受けやすく曇りや雨の日が多かったため、北・東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美では月間日照時間がかなり少なかった。特に、西日本太平洋側の月間日照時間は10月としては1946年の統計開始以来の少ない記録となった。

 

*平均気温・・・下旬は強い寒気の影響で平年を下回った時期があったものの、そのほかは寒気の影響はほとんどなく、上旬から中旬にかけては季節外れの暖かい空気に覆われて北・東日本を中心に気温が平年を大幅に上回った時期があるなど、全国的に平年を上回る日が多かった。このため月平均気温は全国的に高く、東・西日本ではかなり高かった。

*降水量・・・月降水量は沖縄・奄美でかなり多く、東日本から西日本にかけての太平洋側で多かった。名瀬、石垣島では10月の月降水量の最大値を更新した。一方、北日本日本海側では少なく、北日本太平洋側、東日本日本海側および西日本日本海側では平年並だった。 

*日照時間・・・月間日照時間は北日本から東日本にかけての太平洋側、西日本及び沖縄・奄美でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。特に、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美では平年の80%を下回ったところが多かった。山口、平戸、人吉、与那国島、石垣島では10月の月間日照時間の最少値を更新した。北日本太平洋側では平年並だった。

 

*各地の平均気温・降水量

札幌・・・平均気温12.2℃(平年比+0.9℃)・・降水量130.5mm(平年比 105%)・・降水日数10

仙台・・・平均気温16.2℃(平年比+1.4℃)・・降水量124.5mm(平年比 126%)・・降水日数12

東京・・・平均気温18.9℃(平年比+0.7℃)・・降水量211.0 mm(平年比 129%)・・降水日数14

新潟・・・平均気温17.6℃(平年比+1.6℃)・・降水量134.0㎜(平年比 90%)・・降水日数12

名古屋・平均気温19.4℃(平年比+1.8℃)・・降水量179.5 mm(平年比 154%)・・降水日数9

大阪・・・平均気温19.9℃(平年比+1.2℃)・・降水量172.0 mm(平年比 157%)・・降水日数8

広島・・・平均気温19.2℃(平年比+1.2℃)・・降水量62.0mm(平年比 65%)・・降水日数6

高松・・・平均気温19.8℃(平年比+2.1℃)・・降水量124.5mm(平年比 115%)・・降水日数9

福岡・・・平均気温20.0℃(平年比+1.3℃)・・降水量78.5mm(平年比 97%)・・降水日数7

(降水日数は1㎜以上降った日)

 

 

資料1.業種別商業販売額(経済産業省)

*10月の商業販売額(卸売業&小売業)は41兆1010億円、前年比+0.1%となった。

*卸売業販売額は30兆3010億円、前年比+0.2%となった。

業種別に見ると、各種商品卸売業+5.8%、鉱物・金属材料卸売業+5.8%、機械器具卸売業+2.6%、食料・飲料卸売業+2.4%の増加となった。

一方、衣服・身の回り品卸売業△20.1%、家具・建具・じゅう器卸売業△11.6%、農畜産物・水産物卸売業△7.3%、建築材料卸売業△1.8%の減少となった。

*大規模卸売店販売額は8兆8350億円、前年比+7.5%となった。

商品別に見ると輸送用機械器具+53.6%、鉱物+47.8%、一般機械器具+17.6%、石油・石炭+13.8%、鉄鋼+9.7%の増加となった。

一方、衣服・身の回り品△17.9%、紙・紙製品△7.4%、医薬品・化粧品△2.2%の減少となった。

 

*小売業販売額は10兆7990億円、前期比△0.2%、10ヶ月ぶりの減少となった。

業種別に見ると、機械器具小売業+17.6%、織物・衣服・身の回り品小売業+5.2%、燃料小売業+4.8%、飲食料品小売業+2.1%の増加となった。

一方、自動車小売業△24.1%、各種商品小売業△0.2%の減少となった。

自動車はエコカー補助金の終了で1980年1月以降最大の下げ幅となり、家電のエコポイント縮小の駈込み需要で大きく伸びた機械器具小売業(家電等)では補えなかった。

*大型小売店販売額(百貨店&スーパー)は1兆5803億円、前年比+1.2%、27ヶ月ぶりの増加である。

百貨店は5556億円、前年比△0.5%の減少、スーパーは1兆247億円、前年比+2.2%の増加となった。

商品別では、衣料品△0.9%、飲食料品+2.2%、その他+1.6%となった。

既存店で見ると百貨店は+0.6%の増加、スーパーは+0.3%の増加となり、大型小売店全体としては+0.4%の増加となった。

 

*コンビニエンス販売額は6515億円、前年比△3.3%減少となった。

商品別に見ると、ファーストフード及び日配食品+5.5%、加工食品+2.5%、非食品△19.2%となった。

前月のタバコ駆け込み需要の反動から非食品が大きく落ち込み、既存店は4ヶ月ぶりの減少となった。

来店客は△4.4%、客単価△1.5%の落ち込みとなった。

 

*ホームセンター(日本DIY協会)

主要41社の店舗数は3083店となり、売場面積は調査開始以来7年2ヶ月連続で増加。

全店売上は1.6%増加するが、既存店は△1.1%の減となった。

中旬以降の冷え込みから、こたつやストーブ等の暖房器具をはじめとする季節商品に動きが見られた。主要商品別ではLED電球などが好調で電気が110.5%、インテリアが103.6%と2008年7月以来の増加となった。カー・アウトドア102.3%、家庭日用品101.3%、園芸・エクステリア101.1%の増となった。

一方、ペット97.6%、カルチャー99.6%と減少した。

 

資料2.家計調査・2人以上世帯(総務省)

10月の1世帯当たりの消費支出は287.433円となり名目前年比で△0.1%の減少、実質前年比では0.4%の減少であった。

住居等を除く消費支出は名目前年比で+1.3%の増加、実質前年比でも+1.0%の増加となった。

勤労者世帯(主にサラリーマン世帯など自営業を除く)の実収入は494.398円で3ヶ月連続増加し、名目前年比+7.5%、実質前年比+7.2%の増加となり、子供手当の支給が大きく影響した。

可処分所得は419.532円で名目前年比は+8.4%で3ヶ月連続の増加となった。消費支出は320.727円で5ヶ月連続増加し名目前年比で+4.7%の増加となった。平均消費性向は前年から△2.8pts減少し76.4%となった。

 

9月までの累計消費支出は名目で前年比△0.2%、6152円の減少となった。

教育(授業料無償化などで)△8.7%、保険医療(特に医療サービス)△5.7%、被服及び履物(特に婦人用洋服)△3.2%の減少となった。交通・通信(自動車等購入、自動車維持費など)は+5.2%の増加となった。

消費支出の約25%が食料、約13%が交通・通信である。交通・通信のうち移動電話通信料(携帯)+インターネット接続料は2009年88.057円(構成比3.4%)から2010年は前年比+3.9%の91.489円(構成比3.5%)となった。

 

資料3.小売売上情報

記録的な猛暑から秋の気配が感じられ、9月の極端な悪さから少し脱した感じだ。

スポーツ、シューズ関連が好調に推移する。

アルペンの第1四半期(7月~9月)は売上454億円(前期比101.2%)、経常利益22億円(前期比159.1%)であった。売上の36%を占めるゴルフが94%と振るわないが、他でカバーし増収となった。

ゼビオの上期(4月~9月)は売上849億円(103.4%)、経常利益66億円(103.0%)であった。ゴルフ部門は△2.2%であるが、アウトドア部門は山ガールの好調に支えられ+9.9%であった。

三越は銀座店の増床で大きく伸びた。

 

資料4.百貨店販売統計(日本百貨店協会)

店舗調整後の売上は+0.6%で32ヶ月ぶりにプラスとなった。

10月は記録的な残暑がようやく落ち着き秋物商材が活発に動いた。下旬からの冷え込みでコートなど冬物重衣料にも伸びがみられ、主力の衣料品が40ヶ月ぶりに前年を上回った。東京、名古屋を中心に大都市部の業績回復、プロ野球優勝セールや各種催事が集客に寄与した。

外国人観光客の売上は二桁増を続けてきたが、10月は尖閣問題や円高の影響で前年比93.0%と落ち込んだ。

免税手続きカウンターへの来店国順位は中国本土、台湾、韓国、香港、シンガポールの順である。

外国人観光客に人気のあった商品は婦人服、婦人服飾雑貨、ハイエンドブランド、子供服・雑貨、化粧品の順である。

*主要商品の動き

主要5品目では、衣料品が40ヶ月ぶり、身の回り品が38ヶ月ぶり、家庭用品が7ヶ月ぶりのプラスとなり、雑貨はマイナス、食料品は微減となった。

紳士服・洋品、婦人服・洋品、子供服・洋品、その他家庭用品、生鮮食品、菓子、惣菜がプラスとなった。

紳士服・洋品・・・1.6%、31ヶ月ぶりプラス

婦人服・洋品・・・0.2%、40ヶ月ぶりプラス

子供服・洋品・・・4.6%、26ヶ月ぶりプラス

その他衣料品・・・△5.7%、32ヶ月連続マイナス

衣料品合計・・・0.3%、40ヶ月ぶりプラス

身の回り品合計・・・1.7%、38ヶ月ぶりプラス

化粧品・・・△1.2%、23ヶ月連続マイナス

美術・宝飾・貴金属・・・△2.3%、44ヶ月連続マイナス

商品券・・・+10.5%、12ヶ月連続プラス

*主要店舗増減

伊勢丹新宿102.7%、三越日本橋(店頭)102.1%、三越銀座162.2%、

高島屋東京97.7%、高島屋横浜101.7%、高島屋大阪104.6%、

大丸心斎橋128.7%、大丸梅田55.7%、大丸東京95.0%、松坂屋名古屋105.4%、松坂屋銀座86.8

 

資料5.チェーンストア販売統計(日本チェーンストア協会)

既存店(店舗調整後)の販売額は△0.3%で23ヶ月連続の減少となった。

節約志向が続く中で、食料品は野菜、惣菜を中心に動きは良かったものの、衣料品、住関連品の動きは鈍かった。

 

*部門別店舗調整後前年比

食料品(100.0%)・・・農産物(106.6%)、畜産品(98.3%)、水産品(95.1%)、惣菜(100.8%)、その他食品(99.5%)

衣料品(98.6%)・・・紳士衣料(97.4%)、婦人衣料(98.6%)、その他の衣料・洋品(99.1%)

住関品(98.9%)・・・日用雑貨品(98.7%)、医薬・化粧品(98.5%)、家具・インテリア(98.8%)、家電製品(99.7%)、その他商品(100.0%)

 

*好調商品

食料品・・・(農産品)野菜は相場高騰で好調、果物はぶどう、梨、リンゴ好調。 (畜産品)鶏肉、牛肉こま切れ、スライスハム好調。 (水産品)生カツオ、うなぎ、冷凍エビ、刺身類など好調。 (総菜)サラダなど洋惣菜は好調。 (その他食品)乾麺類、飲料、酒類、ラー油、ノンアルコール飲料好調。

衣料品・・・(紳士衣料)ジャケット、ドレスシャツ好調。 (婦人衣料)ジャケット、フォーマル、ブラウス公調。 (その他衣料・洋品)機能性肌着、パジャマ、雨傘、レイングッズ好調。

住関連・・・(日用雑貨品)調理用品、ステンレスボトルなどの行楽用品好調。ランドセル好調だが、タバコは前月の反動で不調。 (医薬・化粧品)医薬品、健康食品好調。昨年のインフルエンザの反動でマスク、ハンドソープは不調。化粧品はヘアケア、ヘアメイク、メンズ好調。 (家具・インテリア)スチールラック、テーブル、組み立てボックス好調。下旬の気温低下により布団は好調。 (家電製品)エアコン、薄型テレビ好調。 (その他)自転車、スポーツウェア好調。

 

以上

 

<資料データー>


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NO7「2010年業種別商業販売額(経産省)」.pdf
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NO7「2010年家計調査年次比較(二人以上世帯)」.pdf
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NO7「2010年家計調査(生地&手芸)」.pdf
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NO7「2010年月次売上情報(_専門店)」.pdf
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NO7「2010年百貨店売上推移 (2)」.pdf
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NO7「2010年チェンストア販売統計 (2)」.pdf
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