レポートNo05 2010.11.30  <倉林 勝>

市場動向2010年9月資料

貿易や通商の機関としては全世界を対象としたWTOがあるが、多数の国にわたり協議が進めにくい難点を抱えている。それを補うために地域間や、国家間の協定が主力となりつつある。 地域間としてのEU、NAFTA、メルコスール、ASEAN、APECなどを簡単に解説する。 国家間、国対国、国対地域としてのFTA、EPA、TPPを簡単に解説する。 合わせて、日本の阻害要因としての農業の実態をみる。 また、APEC参加国や日本のEPA対象国などをGDP順に整理し相関を一覧表としている。 2012年に向けて世界は政治の季節を迎える。アメリカ、中国、韓国、北朝鮮、台湾、ロシアなどの指導者は選挙などで変わる可能性が大きい。日本にとっての波乱要因となる。

9月の天気・・・気象庁

*9月の概況

全国的に気温はかなり高く、東・西日本を中心に残暑が厳しかった

東・西日本と沖縄・奄美では太平洋高気圧の影響で、北日本では暖かい空気に覆われたため気温がかなり高かった。東・西日本では上旬を中心に広く猛暑日となるなど残暑が厳しかった。

東・西日本太平洋側では多照、西日本太平洋側では少雨

東・西日本太平洋側では、太平洋高気圧の影響で晴れて日照時間がかなり多く、西日本太平洋側の降水量はかなり少なかった。

東日本日本海側では多雨

東日本日本海側では、台風9号や秋雨前線などの影響で降水量がかなり多かった。

猛暑日・真夏日・日最低気温25以上の日数

9月の猛暑日、真夏日、日最低気温25以上の日数は、いずれも全国的に平年を上回ったところが多かった。熊谷(10日)、甲府(10日)、名古屋(9日)、大阪(7日)など46地点で9月の猛暑日日数の最大値を更新したほか、広島(21日)、岐阜(20日)、名古屋(19日)、大阪(19日)、福岡(19日)、東京(14日)など23地点で9月の真夏日日数の最大値を更新した。53地点で9月の日最低温度25以上の日数の最大値を更新した。

 

*平均気温・・・月平均気温は全国的にかなり高く、西日本を中心に平年を2以上上回ったところがあった。札幌、帯広、岐阜では9月の月平均気温の最高値を更新した。 

*降水量・・・月降水量は東日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側で多かった。一方、西日本太平洋側ではかなり少なく、北日本太平洋側、西日本日本海側および沖縄・奄美では少なかった。東日本太平洋側では平年並だった。

*日照時間・・・月間日照時間は東日本から西日本にかけての太平洋側でかなり多く、北日本太平洋側、西日本日本海側および沖縄・奄美で多かった。東日本から西日本にかけての太平洋側では平年の140%を上回ったところがあった。

*各地の平均気温・降水量

札幌・・・平均気温20.0℃(平年比+2.4℃)・・降水量92.0mm(平年比 67%)・・降水日数9

仙台・・・平均気温21.7℃(平年比+1.3℃)・・降水量248.0 mm(平年比 114%)・・降水日数10

東京・・・平均気温25.1℃(平年比+1.6℃)・・降水量428.0 mm(平年比 205%)・・降水日数13

新潟・・・平均気温23.7℃(平年比+1.7℃)・・降水量334.5㎜(平年比 205%)・・降水日数15

名古屋・平均気温26.1℃(平年比+2.7℃)・・降水量190.5 mm(平年比 76%)・・降水日数9

大阪・・・平均気温26.7℃(平年比+2.3℃)・・降水量161.0 mm(平年比 92%)・・降水日数7

広島・・・平均気温26.2℃(平年比+2.3℃)・・降水量65.0 mm(平年比 36%)・・降水日数5

高松・・・平均気温26.7℃(平年比+3.2℃)・・降水量61.0mm(平年比 33%)・・降水日数6

福岡・・・平均気温26.3℃(平年比+2.4℃)・・降水量138.5mm(平年比 79%)・・降水日数8

(降水日数は1㎜以上降った日)

資料1.業種別商業販売額(経済産業省)

*9月の商業販売額(卸売業&小売業)は42兆3290億円、前年比+1.4%となった。

*卸売業販売額は31兆6600億円、前年比+1.5%となった。

業種別に見ると、鉱物・金属材料卸売業+13.4%、各種商品卸売業+8.9%、食料・飲料卸売業が+5.8%、医薬品・化粧品卸売業+2.0%、機械器具卸売業が+1.4%の増加となった。

一方、衣服・身の回り品卸売業△27.0%、家具・建具・じゅう器卸売業△16.9%、その他の卸売業△3.0%、化学製品卸売業△1.2%の減少となった。

*大規模卸売店販売額は9兆5820億円、前年比+3.7%となった。

商品別に見ると輸送用機械器具+153.7%、自動車+19.5%、鉄鋼+15.0%、一般機械器具+13.5%、その他商品+10.1%の増加となった。

一方、衣服・身の回り品△26.7%、その他機械器具△14.8%、化学製品△8.5%、紙・紙製品△3.1%の減少となった。

*小売業販売額は10兆6690億円、前期比+1.2%、9か月連続のプラスとなった。

業種別に見ると、機械器具小売業+8.3%、燃料小売業+7.7%、自動車小売業+1.6%、飲食料品小売業+1.1%の増加となった。

一方、各種商品小売業(百貨店やスーパー)は△2.5%、織物・衣服・身の回り小売業△2.0%の減少となった。

機械器具小売業の扱う薄型TVは218万5千台、前年比91.5%増であった。

*大型小売店販売額(百貨店&スーパー)は1兆4781億円、前年比△1.1%の減少となった。

店舗総数は4695店で既存店は△1.7%となった。

百貨店は4858億円、前年比△6.4%、スーパーは9923億円、前年比+1.8%となった。

商品別では、衣料品△9.6%、飲食料品+2.0%、その他+1.1%となった。

*コンビニエンス販売額は7610億円、前年比+15.1%で4ヶ月連続の増加となった。

既存店は3ヶ月連続の増加となった。

商品別に見ると、ファーストフード及び日配食品+1.7%、加工食品+2.2%、非食品+42.6%となった。

タバコの駈込み需要が大きく、また上旬の猛暑で飲料やアイスクリームなど夏物商品が好調。

*ホームセンター(日本DIY協会)

主要41社の店舗数は3169店舗となり、店舗数と売場面積は調査開始以来7年1ヶ月間連続で増加する。全店売上高は△4.3%減だが、既存店は△6.4%減であった。

全国的な高温により、園芸・農業用品や外回り関連商品が伸び悩んだ。一方、夏物レジャー用品や値上げのタバコに駆け込み需要が見られた。

主要商品分類別で見ると、電気+3.4%の増加。一方、インテリア△8.3%、カルチャー△7.7%、園芸・エクステリア△7.1%、ペット△6.6%と減少する。

 

 

 

資料2.家計調査・2人以上世帯(総務省)

1世帯当たりの消費支出は275.367円となり名目前年比で△0.6%の減少、実質前年比では0.0%であった。

住居等を除く消費支出は名目前年比で△1.1%の減少、実質前年比でも△0.5%の減少となった。

前半の猛暑効果や、後半のタバコ駆け込み需要などもあったが消費支出は減少した。

勤労者世帯の実収入は425.771円で2ヶ月連続増加し、名目前年比+0.9%、実質前年比+1.5%の増加となった。可処分所得は352.244円で名目前年比は+1.0%で2ヶ月連続の増加となった。消費支出は307.437円で4ヶ月連続増加し名目前年比で+1.9%の増加となった。平均消費性向は前年から0.8pts増加し87.3%となった。

10月からのタバコ税増税に伴う値上げを前にして、1世帯当たりのタバコ支出金額は過去2回の価格改定(15年6月、18年6月)に比べ大きな増加幅となって、前年に比べ実質で145.0%となった。

 

 

増加項目

諸雑費・・タバコ、婚礼関係費  設備修繕・維持・・外壁・塀等の工事  家庭用耐久財・・エアコン、冷蔵庫  教養娯楽用耐久財・・パソコン、テレビ  自動車等関係費・・自動車購入、ガソリン

減少項目

交際費・・贈与金、住宅関係負担費  教養娯楽サービス・・国内パック旅行費、宿泊料  保険医療サービス・・医科診療代、出産入院料  野菜・海藻・・さやまめ、ほうれんそう  保険医療用品・器具・・保険用消耗品、メガネ

 

資料3.小売売上情報

記録的な猛暑でアパレル関係小売業は大きく悪化する。

ユニクロは客数△14.9%、客単価△11.4%で既存店売上△24.7%と大きく下落する。この結果を受けて今期見通しを減収減益と発表。

ハニーズ既存店客数78.8%、客単価104.5%、 しまむら全店客数97.4%、客数95.9%、 西松屋既存店客数89.0%、客単価91.5%、 バルス既存店客数94.2%、客単価97.6%となった。

イオンリテール既存店、イトーヨーカ堂全店は久しぶりにプラスとなった。

 

資料4.百貨店販売統計(日本百貨店協会)

店舗調整後の売上は△5.2%で31ヶ月連続の減少、減少幅は8月より拡大する。

中旬まで続いた記録的猛暑で、最盛期を予定する秋物衣料品など主力商品が苦戦をした。

円高・株安傾向の深刻化、政策効果の息切れ(エコカー補助終了など)から景気の先行き懸念が再浮上し消費マインドを抑制している。

急進基調の外国人売上は円高の影響を受けながらも+18.7%と11ヶ月連続で二桁の伸びを示す。

日中関係悪化後の中国人観光客への売上は、今のところ影響は見られない。

*主要商品

雑貨は先月より改善したが、衣料品、身の回り品、家庭用品、食料品は落とす結果となった。

また、子供服・洋品、その他衣料品、美術・宝飾・貴金属、その他雑貨、家具、家電、生鮮食品、総菜は先月より改善する動きとなった。

紳士服・洋品・・・△10.5%、30ヶ月連続マイナス

婦人服・洋品・・・△8.6%、39ヶ月連続マイナス

子供服・洋品・・・△5.8%、25ヶ月連続マイナス

その他衣料品・・・△9.8%、31ヶ月連続マイナス

衣料品合計・・・△8.9%、39ヶ月連続マイナス

身の回り品合計・・・△7.2%、37ヶ月連続マイナス

化粧品・・・△3.4%、22ヶ月連続マイナス

美術・宝飾・貴金属・・・△4.0%、43ヶ月連続マイナス

商品券・・・+8.2%、11ヶ月連続プラス

*主要店舗増減

伊勢丹新宿93.0%、三越日本橋(店頭)95.3%、三越銀座139.8%、

三越銀座店は9月10日、売場面積を1.5倍に拡大しリニューアルオープンした。

高島屋東京97.0%、高島屋横浜93.8%、高島屋大阪109.6%、

大丸心斎橋125.0%、大丸梅田62.0%、大丸東京88.4%、松坂屋名古屋96.3%、松坂屋銀座89.7

 

資料5.チェーンストア販売統計(日本チェーンストア協会)

既存店(店舗調整後)の販売額は△0.3%で22ヶ月連続の減少となった。

全国的な記録的残暑により、夏物商品の動きは良かったものの、秋物商品の動きは鈍かった。

食料品は飲料、アイスクリーム、惣菜、野菜、果物の動きが良く、20ヶ月ぶりのプラスとなった。

衣料品は秋物衣料の動きが鈍くマイナス、住関連はタバコの駈込み需要から日用雑貨品が12ヶ月ぶりにプラスとなったが、家具の動きが鈍く全体としてはマイナスとなった。

*部門別店舗調整後前年比

食料品・・・農産物(102.3%)、畜産品(97.9%)、水産品(96.4%)、惣菜(101.7%)、その他食品(102.2%)

衣料品・・・紳士衣料(89.5%)、婦人衣料(92.0%)、その他の衣料・洋品(97.7%)

住関品・・・日用雑貨品(100.6%)、医薬・化粧品(96.4%)、家具・インテリア(93.8%)、家電製品(99.9%)、その他商品97.0%)

*好調商品

食料品・・・農産品は相場高騰で野菜類、果物はぶどう、桃、オレンジなど、 畜産品は豚肉、鶏肉、牛こま切れなど、 水産品はうなぎ、冷凍エビ、塩鮭、明太子、いくらなど、 総菜は中華総菜、サラダなど、その他食品は残暑により飲料、ビール類、アイスクリーム、冷やし麺、梅干しなど。

衣料品・・・紳士衣料はTシャツ、 婦人衣料はフォーマル、ブラウス、 その他衣料・洋品は肌着、帽子など。

住関連・・・日用雑貨品は調理用品、ステンレスボトルなどの行楽用品、ランドセル、タバコなど、 医薬・化粧品は医薬品、ヘアケア商品、メンズ化粧品、制汗剤など、 家具・インテリアは敷パット、タオルケット、クッションなど、 家電製品はエアコン、液晶テレビなど、その他商品は自転車、ペット用品など。

 

以上