レポートNo02 2010.10.9  <倉林 勝>

市場動向2010年8月度「UPNPレポート」

猛暑で小売業は+4.3%と大きく伸び、8か月連続のプラス、反面、大型小売店(百貨店&スーパー)は1.3%の減少となった。

2010年夏(6~8月)、平均気温の平年差は+1.64℃と統計を開始した1898年以来、最も暑い夏となった。

8月の商業販売額(卸&小売)は前年比+2.0%となったが、猛暑やエコポイントなどで好・不調業種に分かれた。

 

2010年8月の各省庁、業界団体のデータ。 

①気象庁・・・8月の天気概況

②経済産業省・・・業種別商業販売額

③総務省・・・2人以上世帯

④小売店売上情報・・・有力アパレル、雑貨、スポーツ、靴、百貨店、GMS

⑤百貨店協会・・・販売統計

⑥チェーンストア協会・・・販売統計

⑦その他・・・平均株価、円相場

 

 


8月の天気・・・気象庁

2010年夏(6月~8月)の平均気温の平年差は+1.64℃と、夏の気温としては統計を開始した1898年以降の113年間で第1位の高い記録となった。(これまでの1位は1994年6月~8月)

今夏における各月の平均気温の平年差は、6月+1.24℃で第5位、7月が+1.42℃で第11位であったが8月は+2.25℃で第1位の高温となった。

 

*8月の概況

太平洋高気圧の勢力が日本付近で強かったため、東・西日本では各地で猛暑日となるなど晴れて厳しい暑さが続いた。全国的に月平均気温がかなり高く、北・東・西日本では1946年の地域平均の統計開始以来第1位の高温となった。

北日本太平洋側と東・西日本では太平洋高気圧に覆われ晴れの日が続き、月降水量が少なく、月間日照時間は多かった。沖縄・奄美では晴れて暑い日が多かったが、上旬後半と下旬後半は台風や湿った気流の影響で曇りや雨となった。

また、全国77地点で8月の月平均気温の高い記録を更新した。

*平均気温

月平均気温は全国的にかなり高く、特に北日本から西日本にかけては平年を2℃以上上回ったところが多かった。帯広、仙台、東京、大阪、福岡など77地点で月平均気温の最高値を更新した。

*降水量

月降水量は西日本太平洋側でかなり少なく、北日本太平洋側・東日本・西日本日本海側で少なかった。これらの地域では平年の40%を下回ったところがあり、館野(茨城)・広島・福山・呉では8月の月降水量の最少値を更新した。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美では多かった。

*日照時間

月間日照時間は北日本太平洋側・東日本・西日本で多かった。一方、沖縄・奄美では少なく、北日本日本海側では平年並みだった。

*各地の平均気温・降水量

札幌・・・平均気温24.8℃(平年比+2.8℃)   降水量213.5mm(平年比 155.5%)

仙台・・・平均気温27.2℃(平年比∔3.1℃)    降水量37.5 mm(平年比 21.5%)

東京・・・平均気温29.6℃(平年比+2.5℃)   降水量27.0 mm(平年比 17.4%)

名古屋・・平均気温29.4℃(平年比+2.1℃)  降水量63.5 mm(平年比 45.2%)

大阪・・・平均気温30.5℃(平年比+2.1℃)   降水量37.5 mm(平年比 37.9%)

広島・・・平均気温30.3℃(平年比+2.4℃)   降水量5.5 mm(平年比 4.4%)

高松・・・平均気温30.4℃(平年比+3.0℃)   降水量28.5 mm(平年比 30.9%)

福岡・・・平均気温30.3℃(平年比+2.7℃)   降水量69.5 mm(平年比 37.0%)

 

 

 

資料1.業種別商業販売額(経済産業省)

*8月の商業販売額(卸売業&小売業)は40兆2610億円、前年比+2.0%となった。

*卸売業販売額は29兆290億円、前年比+1.1%となった。

業種別に見ると、鉱物・金属材料卸売業+11.4%、各種商品卸売業+8.9%、食料・飲料卸売業    +8.3%、化学製品卸売業+4.4%、医薬品・化粧品卸売業+3.7%と増加した。

一方、衣服・身の回り品卸売業△28.8%、その他の卸売業△11.0%、農畜産物・水産物卸売業△9.6%、家具・建具・じゅう器卸売業△9.5%と減少した。

*大規模卸売店販売額は8兆4290億円、前年比+9.0%となった。

商品別に見ると輸送用機械器具+37.5%、鉱物+34.7%、一般機械器具+32.8%、自動車+32.5%、石油・石炭+13.7%と増加した。

一方、衣服・身の回り品△13.3%、紙・紙製品△3.3%、非鉄金属△2.5%と減少した。

*小売業販売額は11兆2320億円、前期比+4.3%、8か月連続のプラスとなった。

業種別に見ると、自動車小売業+18.0%、燃料小売業+11.2%、機械器具小売業+9.5%、その他小売業+2.6%と増加した。

一方、各種商品小売業(百貨店やスーパー)は△1.9%と減少する。

*大型小売店販売額(百貨店&スーパー)は1兆5497億円、前年比△1.3%の減少となった。

店舗総数は4696店で既存店は△1.9%となった。

百貨店は4743億円、前年比△5.0%、スーパーは1兆754億円、前年比+0.4%となった。

商品別では、衣料品△5.7%、飲食料品+0.6%、その他△1.8%となった。

*コンビニエンス販売額は7427億円、前年比+3.2%で3ヶ月連続の増加となった。

既存店は2ヶ月連続の増加となった。

商品別に見ると、ファーストフード及び日配食品+2.4%、加工食品+8.1%、非食品△1.1%となった。

特にアイスクリーム、ソフトドリンクなどが大きく伸びた。客単価は△1.9%減少し、21ヶ月連続のマイナスとなったが、客数は3ヶ月連続の増加となった。9月はタバコの駈込み需要が高まると予想される。

*ホームセンター(日本DIY協会)

主要41社の店舗数は前年から109店舗増加し3162店舗となり、店舗数と売場面積は調査開始以来7年間連続で増加する。全店売上高は△1.1%減だが、既存店は△3.0%減であった。

全国的な猛暑から冷房用品やレジャー用品等の夏物商品、熱中症対策関連品などの動きは良かったが、園芸・農業用品などの動きは鈍かった。

主要商品分類別で見ると、電気+4.8%、カー・アウトドア+0.4%増加する。一方、ペット△7.6%、カルチャー△3.9%、DIY素材・用品△3.1%、園芸・エクステリア△3.1%と減少する。

 

猛暑効果を生かしたコンビニエンス、生かせなかった百貨店が販売額に現れる。

猛暑やエコポイントでエアコン前年比倍増、冷蔵庫二桁アップ、薄型TV166%などの機械器具(電気)小売業は好調、エコポイント終了近い自動車も駆け込み需要で大きく伸ばす。

エコポイント終了後は小売を牽引してきた自動車、機械器具は落ち込み小売全体の伸びも低下すると予想される。

 

資料2.家計調査・2人以上世帯(総務省)

1世帯当たりの消費支出は293.361円となり名目は0.8%の増加、実質は1.7%の増加となった。名目は2ヶ月連続で増加した。

住居等を除く消費支出は名目△0.8%の減少、実質+1.8%の増加である。

猛暑効果でエアコンや飲料が増加し、交通・通信も増加する。自動車はエコカー補助金の駈込み需要で65.9%増加する。

勤労者世帯の実収入は470.717円となり名目前年比+0.9%、実質+1.8%である。可処分所得は388.758円で名目△0.3%、消費支出は323.758円で名目+1.8%、実質+2.7%となった。平均消費性向は前年比1.6pts増加し83.3%となった。

生鮮を除く消費者物価は△1.0%、18ヶ月連続で低下した。

 

*猛暑により消費支出が増加した主な品目

食料・・・乾うどん・そば(冷麦、そうめんを含む)+9.8%、梅干し+34.9%、ゼリー+16.4%、アイスクリーム・シャーベット+21.5%、他の主食的調理食品(冷やし中華、うどんセットを含む)+9.8%、うなぎのかば焼+30.1%、飲料+14.2%、ビール+9.5%、発泡酒等+5.9

水道・光熱・・・電気代+8.8

家具・家事用品・・・電器冷蔵庫+111.5%、エアコン+13.8%、他の冷暖房器具(扇風機含む)+17.5%、他の寝具類(タオルケット含む)18.6%、タオル+39.6

交通・通信・・・ガソリン+2.0

その他消費支出・・・浴用・洗顔石鹸+6.0%、化粧クリーム(日焼け止めを含む)+5.8%、傘(日傘含む)+23.7

 

資料3.小売売上情報

猛暑で秋物の動きが遅れ、衣料品関連の小売店が悪化する。ユニクロの既存店も10%近い落ち込みとなった。

アオキは客単価94.4%と下がるが、客数が118.0%と伸びて8月も好調に推移する。スポーツは全般に好調、山ガールに代表されるように登山、トレッキング、アウトドア関連が好調、また猛暑で水着関係も好調であった。

ABCマートの8月は客単価が1.7%上昇するが猛暑で客数が△10.6%減少し既存店は大きく落ち込み、3ヶ月連続で悪化している。

 

資料4.百貨店販売統計(日本百貨店協会)

店舗調整後の売上は△3.2%で30ヶ月連続の減少、減少幅は7月より拡大する。

猛暑で高齢者顧客の来店が減少し、急激な円高・株安傾向の中で逆資産効果を生み宝飾品や輸入雑貨など高額品が低調に推移する。UV対策商品や盛夏物セール品は順調であったが秋物商材の動きは鈍かった。セール比率が上がり入店客は増えるが客単価が下がり、前年実績に届かない。

前年比で土曜日が1日減少したこと、銀座三越の改装など売場面積の縮小なども影響する。

家庭回帰志向を背景に食器やキッチン用品などが引き続き伸びる。また、急進基調の外国人売上は円高の影響を受けながらも+16.5%と10ヶ月連続で二桁の伸びを示す。

*主要商品

婦人服・洋品・・・△4.6%、38ヶ月連続マイナス

子供服・洋品・・・△7.0%、30ヶ月連続マイナス

その他衣料品・・・△10.5%、30ヶ月連続マイナス

衣料品合計・・・△5.2%、38ヶ月連続マイナス

身の回り品合計・・・△3.6%、36ヶ月連続マイナス

化粧品・・・△1.5%、21ヶ月連続マイナス

美術・宝飾・貴金属・・・△7.1%、42ヶ月連続マイナス

商品券・・・+4.0%、10ヶ月連続プラス

*主要店舗増減

伊勢丹新宿101.5%(2ヶ月連続プラス)、三越日本橋(店頭)96.7%、三越銀座45.2%、

高島屋東京97.4%、高島屋横浜98.1%、高島屋大阪99.2%、

大丸心斎橋127.1%、大丸梅田60.1%、大丸東京94.7%、松坂屋名古屋95.1%、松坂屋銀座100.2

松坂屋名古屋駅前店は閉店セールで265.5%となった。

 

資料5.チェーンストア販売統計(チェーンストア協会)

既存店の販売額は△1.2%で21ヶ月連続の減少となった。

全国的な記録的猛暑で盛夏商品の動きは良かったが秋物動きは鈍かった。暑さを避け朝夕に客が集中したり、大型SCなど涼を求めて集まる傾向が見られたが売上を確保するには至らなかった。

商品別には、食品では飲料、アイスクリーム、麺類、つゆ、ラー油、ビール類、スイカ、

衣料品では機能性肌着、水着、帽子、

住関連では敷パッド、枕カバー、扇風機、エアコンの動きが良かった。

*部門別店舗調整後前年比

食料品・・・農産物(101.2%)、畜産品(95.8%)、水産品(95.5%)、惣菜(100.0%)、その他食品(99.9%)

衣料品・・・紳士衣料(100.0%)、婦人衣料(98.7%)、その他の衣料・洋品(99.7%)

住関品・・・日用雑貨品(95.9%)、医薬・化粧品(99.5%)、家具・インテリア(99.2%)、家電製品(98.1%)、その他商品99.2%)

 

                                        以上

 


資料5部

 

「2010年百貨店売上推移」

「2010年専門店売上情報」

「2010年チエンストア販売統計」

「2010年業種別商業販売額」

「2010年家計調査(生地&手芸)」

 

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「UPNP」2010年家計調査(生地&手芸).pdf
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